タイ中央銀行と金融政策局は、仏歴2551年(西暦2008年)金融機関事業法(以下、「金融機関事業法」とする)に基づき、自動車やオートバイの割賦販売・リースを規制する勅令案を作成した。
この勅令案は、タイで家計債務が急増する中、自動車やオートバイの割賦販売・リースに関わる債務残高の増加に対応・対処すべく作成された。現在まで、ノンバンクによる自動車やオートバイの割賦販売・リースは規制されておらず、料金・取引などにつき苦情が多く寄せられてきていた。
規制対象となる事業者の範囲
この勅令案により、自動車やオートバイの割賦販売・リースを行う事業者は、金融機関事業法の規制対象となる。
勅令案では、規制対象となる「割賦販売」と「リース」を以下のように定義している。
「割賦販売」とは、タイ民商法に従った自動車・オートバイの割賦販売である。すなわち、自動車・オートバイの所有者が顧客に割賦販売し、顧客が一定の支払いを行うことを条件に、自動車・オートバイの顧客への売却又は顧客への所有権移転を約束する契約である。
「リース」とは、ファイナンス・リース契約に基づき、貸主が借主の要望に応じて自動車・オートバイをメーカー・販売代理店等から調達し、自動車・オートバイを借主に対して賃貸しすることをいう。借主は、リース期間中はリース車両・オートバイを修理する義務を負い、中途解約することはできない。契約終了後、リース対象の資産を購入する権利は、貸主と借主の合意に従う。
この勅令案は、自動車・オートバイの割賦販売・リースを行うノンバンクである事業者に影響するであろう。一方、この勅令案は、金融機関事業法に基づく金融機関、特定の政府機関により規制・監視されている他の法律に基づく事業者、及び法人ではない事業者に対しては適用されない。
主なポイント
勅令案の主なポイントは以下の通りである。
中央銀行は勅令案につき公聴会を遂行し、現在、勅令案の法制化へ向けて手続きを遂行している。
備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Bank of Thailand to Regulate Car and Motorcycle Hire Purchase and Leasing