2024年10月31日、ミャンマー知的財産局(IPD: Intellectual Property Department)は、特許法に基づいて、特許出願および実用新案登録出願の受付を正式に開始すると発表した。知的財産局 通知 No. 14/2024に含まれるこの重要な進展は、国内で特許権および実用新案権を取得するための新たな道を開くものである。
2019年3月11日にミャンマー特許法(Pyidaungsu Hluttaw Law No. 7/2019)が成立し、物および方法の発明の保護に関する枠組みが設けられた。ミャンマーの歴史上、特許の保護に具体的に取り組む最初の法律である。特許法は、2024年5月31日に、国家行政評議会通達第106/2024号に基づいて施行された。
この新しい枠組みを実施するため、商務省(MOC: Ministry of Commerce)は2024年6月4日、特許・実用新案の関連事項の要件および手続を詳述した通達第43/2024号に基づき、特許規則を公布した。その後、商務省は、2024年7月19日付の通達第54/2024号に基づき、特許・実用新案の関連事項の出願に使用する公式様式を明らかにした。2024年10月22日、知的財産庁は、通達第2/2024号に基づき、特許及び実用新案の年金手数料を含む手数料を公表した。
出願人(個人と法人の両方)は、特許出願と実用新案登録出願を、本人が(直接的または現地代理人を通じて)電子的に、または郵送により、知的財産局に、提出できるようになった。
特許を受けるためには、発明は以下の要件を満たさなければならない。
実用新案登録を受けるためには、進歩性が必要ない点を除いて、要件は同じである。
これは、ミャンマーで発明を保護しようとしているイノベーターや投資家にとって極めて重要である。すべての利害関係者は、ミャンマーでの特許および実用新案登録の新たな機会を利用することが奨励される。
しかしながら、現在、ミャンマーは、特許協力条約(PCT)もパリ条約も批准していないので、PCTルートによる特許出願そして実用新案登録出願の受付を行っておらず、パリ条約に基づく優先権の主張もまだ認められない。しかしながら、世界貿易機関(WTO)加盟国の出願に基づく優先権を、その発明の先願である当該出願の出願日から1年以内であれば、主張することができる。
ミャンマーにおける特許出願・実用新案登録出願、または知的財産を保護するためのミャンマーの進化する法的枠組みのあらゆる側面についての詳細は、[email protected]でTilleke & Gibbinsまでお問い合わせください。
備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。
Myanmar Starts Accepting Patent and Utility Model Applications