タイ証券取引委員会 (SEC:Securities and Exchange Commission) は2021年9月15日、タイの中小企業(SMEs : small and medium enterprises)やスタートアップ企業が公募を通じて資金を調達できるようにする、新たなスキームの導入を発表しました。この新制度を実施するためのSECの規則は、2022年の第一四半期までには策定される予定です。
2019年以来、SECはタイの中小企業やスタートアップ企業に対して、私募やクラウドファンディングによる資金調達を認めてきました。SECの新スキームは、中小企業やスタートアップ企業が新しいタイプの株式公開 (いわゆる「SME-PO」) を通じてより大規模な資金調達を行うことを可能にします。証券取引委員会はまた、中小企業の株式の売買が行われる流通市場を設立する予定であるとも報道されています。
SECの新スキームの下では、SME-POを進めようとする中小企業やスタートアップ企業は、仏歴2535年公開会社法 (Public Company Act) に従って、投資家保護のメカニズムを備えた公開会社である必要があるとの情報もあります。
SECの代表者は以前、SME-POは通常の株式公開の承認プロセスではなく、関連情報の書類審査等、情報ベースのアプローチの対象となる可能性を示唆していました。ところが、9月15日の発表では、株式公開承認申請、独立したファイナンシャル・アドバイザーの選任、手数料などに関する要件をSECが緩和する可能性があることを指摘した上で、これを超えた要件緩和に関する詳細は述べておりません。
中小企業やスタートアップ企業の株式公開に対する投資家としては、機関投資家、プライベート・エクイティ・ファンド (Private Equity Fund)、ベンチャー・キャピタル、エンジェル投資家、中小企業の役員など、リスクに強く、資金力のある洗練された投資家が想定されます。
上述しております基準及びそれに関わる情報は今後、変更・修正される可能性があります。当事務所は中小企業・スタートアップ企業向けの規制の変更を引き続きフォローしてまいります。
備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。Thailand’s SEC to Support Public Fundraising for SMEs and Startups