2022年6月16日、ベトナム知的財産法の改正法が国会議員の95.58%の同意を得て最終的に成立した。本改正法は、知的財産の所有権と執行の両方について改正が行われたため、知的財産権者だけでなく法執行機関からも大きな注目を集めている。
特に、改正知的財産法の下で、ベトナムは、EVFTA(European Union – Vietnam Free Trade Agreement)やCPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)のような自国が締結している国際条約や協定を遵守するために音響商標を認める。音響商標を保護するには課題があるが、音響商標の採用によって、技術の発展期において知的財産権所有者に対して知的財産を保護するための1つの有用なタイプの保護を提供できることが期待されている。
著作権については、共同著作者の基準が明確化され、著作者数(2人以上)、著作者の貢献度、著作者の意図などの詳細が示されている。これらの基準は、英国や米国などの他国の法制度と類似している。共同著作者の定義は著作物の所有権を決める上で重要な役割を果たすため、この改正は共同著作物の所有権に関する争いが少なくなるというより良いシナリオを約束する。
国会は知的財産権侵害対策の一つとして行政罰を維持する。この点は、知的財産権を保護する方法として行政罰が記載されていなかった改正法の草案とは対照的である。行政罰が知的財産法から削除される点は多くの学者や弁護士から強い否定的な反論を受けていた。彼らは、実務的な観点から、民事訴訟の手続が行政罰の適用よりも時間と費用がかかることが多く、知的財産権所有者の権利保護を妨げると主張していた。さらに、知的財産権の侵害は、知的財産権所有者の法的利益に影響を及ぼすだけでなく、社会の発展や消費者の安全にも悪影響を及ぼす可能性がある。国会で修正されたことで、知的財産権所有者は、利用可能なすべての有効な保護手段を有しているという安心感を得ることができる。
改正知的財産権法は、ベトナムの知的財産における新時代を約束し、 2023年1月14日に施行される音響商標に関する規定並びに2024年1月14日に施行される農薬の試験データ保護に関する規定を除き、 2023年1月1日に施行される。