2022年8月26日、タイの賃金委員会は各県の一日当たりの最低賃金を328バーツ~354 バーツ の範囲に引き上げることを決議した。これは従来の313バーツ~336バーツに設定されていた各県の一日当たりの最低賃金レベルから約5%の引き上げとなる。2020年1月以来の今回の最低賃金額の引き上げは、2022年7月における7.61%という14年ぶりの高水準のインフレ率を受けて決定された。
新しい最低賃金額は2022年9月19日付けにて官報に掲載されており、2022年10月1日に発効した。最低賃金額は、以下の表に示すように、職場が所在する県によって異なる。
上記の最低賃金額は、通常の労働においては8時間、従業員の健康・安全に害を及ぼす可能性のある労働においては7時間からなる1日の労働時間に対して適用される。
新たな最低賃金が官報に告示された後は、使用者は所定の最低賃金額を下回る賃金を従業員に支払うことは仏歴2541年労働者保護法違反となる。違反した場合は、6ヶ月以下の懲役、10万 バーツ以下の罰金、またはその両方が科される。
使用者が労働者の労働時間を短縮して、最低賃金を下回る賃金を支払うことができるかどうかについては、賃金委員会の見解を踏まえると、これは難しいと考えられる。例えば、1日8時間の労働時間で1日331バーツの最低賃金を得ているバンコクの従業員は、たとえ使用者が労働者の労働時間を減らしたとしても、2022年10月時点では1日353バーツの賃金を受け取る権利がある。
備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 New Minimum Wages in Thailand