[1] バックグラウンド
2017年11月にタイがマドリッド協定議定書に加盟して以来、タイの商標登録を取り巻く状況は大きく変化している。ブランド所有者は、国内ルートに加えて、国際出願プロセスを通じてタイで商標保護を求めることができる。このようにグローバルな実務との整合により、登録プロセスが簡素化され、企業はこの主要な東南アジア市場でブランドを保護するための貴重な道筋を得ることができた。
しかしながら、合理化されたプロセスにもかかわらず、タイ知的財産局の商標部の技術的な不具合により、商標登録証および暫定的拒絶通報後の保護認容声明(一般に「Model Form 5」と呼ばれる)の発行が遅れている。これらの文書は、商標登録を確定し、タイ国内での有効性を確認するために重要である。しかしながら、この技術的な問題は、暫定的拒絶通報が送付されなかった保護認容声明の発行には影響を与えなかったことに注意することが重要である。
[2] 最近の動向
幸いなことに、2024年8月19日現在、商標部はこれらの重要な文書の発行に影響を与える技術的な問題を解決した。不具合が修正されたため、商標部は、商標登録証、そして、暫定的拒絶通報後にタイを指定する保護認容声明のバックログの処理を開始した。
[3] ブランド所有者にとっての意味
この技術的な問題の解決は、タイにおいて商標登録証を待っていたブランド所有者にとって重要なマイルストーンである。商標部がバックログの解消により、商標登録証及び保護認容声明の発行がより迅速に進行する可能性がある。遅延の影響を受けた人々にとって、終わりは見えてきた。これらの書類の発行により、ブランド所有者はタイでの商標登録を正式に完了し、タイの法律に基づく保護の恩恵を受けることができる。
それまでの間、権利行使や商標の譲渡など、特定の目的で商標登録証が必要なブランド所有者は、現地弁護士に相談する必要がある。このような場合、常に入手可能な登録事項の謄本(certified extract)を要求することが有益である場合がある。
[4] 今後の展望
商標部は現在、バックログへの対処を引き続き進めている。その間、ブランド所有者はポートフォリオを見直し、現地弁護士に相談して、各商標に最も適切な登録ルート(国内または国際)を選択する必要がある。この戦略的なアプローチは、各登録システムの利点を最適化するのに役立つ。
備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。
The Wait is (Almost) Over for Local Certificates for IR Designations